土壌の団粒構造の回復に効果
酸化鉄で赤茶けて劣化したパイナップル畑の土を使って、パイ・ウオーター処理した土壌を試験区、元のままの土壌を対照区とし、一定期間を経て土壌の粒形分析を行った。試験区は真っ黒な土地に変化し、粒形分析は表1の結果となった。これはパイ・ウオーターが、崩壊した土壌の団粒構造の回復に効果があることを示している。
を高めていくには、どうしたら良いのでしょうか?
土壌の粒形分析 |
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シルト |
粘度 |
対照区 |
9.53g /乾度100g |
1.28g/乾度100g |
処理区 |
14.00g/乾度100g |
4.80g/乾度100g |
(注)「団粒構造」
土壌物質を物理的に分けると、礫片(粒径2ミリ以上)、砂粒(2〜0.02ミリ)、シルト粒(0.02〜0.002ミリ)及び粘度(0・002ミリ以下)となる。こうした個々の土壌粒子が集合して団粒をつくる。粘土、有機物、カルシウム、鉄、アルミナ、植物根、土壌微生物が分泌した粘質物および菌糸などが結合物質となって団粒を生成する。よく発達した団粒構造は粘土やシルト粒が多いにもかかわらず孔隙に富み、単粒構造に比べ、通気・通水性、保水性にすぐれる。
パイ・ウオーターの種処理
パイ・ウオーターの種処理とは、種をパイ・ウオーターに10分浸すだけだ。これだけでどのような効果があるのか。次のような実験例がある。(1)稲の種籾をパイ・ウオーター処理して作った苗を植えた試験区と、従来どおりの苗を植えた対照区で収穫量の比較実験を行った。
対照区が10.31俵/反、試験区が平均13.21俵/反と、試験区が対照区に対して128%の結果となった。(2)じゃがいもの種いもを パイ・ウオーター処理して植えた試験区と、従来どおりの種いもを植えた対照区で発根数の比較実験を行った。対照区が試験区に対して数倍の発根数となった。一般にじゃがいもの収穫量は発根数に比例する。このほかトウモロコシ、えんどう豆などの実験で著しい発育改善が確認されている。
もやし栽培の実験
パイ・ウオーター種処理してパイ・ウオーターの水で栽培したもやしと、従来の方法で栽培したもやしとの比較実験を行った。
(1)従来の方法のものは、成長したもやしの長さに大きなバラツキがあったが パイ・ウオーターで栽培したものはほぼ均一の長さだった。
(2)成長したもやしをパッキングして自然放置し、10日後観察した。従来の方法のものは腐敗して溶けていた。パイ・ウオーターの方は袋の中で生きているかのように成長していた。この実験の実際例として パイ・ウオーターのシステムを導入している西友(西武デパート系)の「完熟もやし」製造業者から、もやしがビニール袋でパックして出荷した後も、その中で成長している、との報告がある。
普通はパックした時点から腐り始める。また、この製造業者では、もやし栽培槽の上層、中層、下層のすべてを商品として出荷する。一般のもやし製造では、もやし栽培槽の上層は棄てる。酸素供給に差が生じ、上層は20センチにまで育ってしまうからだ。しかしパイ・ウオーター のシステムを導入した栽培槽では、すべて同じ度合いで成長する。つまり、中層、下層でも酸欠状態が生じていないということだ。しかも、日持ちが大幅に伸びているという。これらの理由は完全には解明できていないが パイ・ウオーターは水栽培植物の成長に顕著な効果が確認されている。
パイ・ウオーターが示す科学的特徴
低い酸化還元単位
酸化還元電位プラス180mvの水道水150mlに高エネルギーパイ・ウオーター0.09mlを添加すると電位はマイナス35mvに低下する。
(注)酸化還元電位
電子移動で共役関係にある酸化体と還元体の溶液に、白金板のような不可侵電極を浸したときに現れる電位。標準電極電位と同じく標準水素電極との電位差で表す。酸化作用をする物質、すなわち電子を奪うものを酸化剤といい、還元作用をする物質、すなわち電子を他に与えるものを還元剤というが、一般に酸化還元電位の高いものは酸化剤となり、低いものは還元剤となる。標準酸化還元電位の例としては、鉄イオン=プラス772mv、銅イオン=プラス167mv、クロムイオン=マイナス410mv。
土壌の電位伝導度が大幅低下
土壌に含まれる化学肥料の量は電気伝導度を測定することによって推測できる。化学肥料は土壌の水分の中でプラスイオンとマイナスイオンに解離する。イオンの量が多いほど電気伝導度が高くなる、すなわち化学肥料が多いほど電気伝導度が高くなる。電気伝導度が高すぎると肥料障害を起こしやすい。しかし、電気伝導が高い土壌にパイ・ウオーターで土壌改質を施すと、電気伝導度は4・0から約3・0に急激に低下する。
(注)「電気伝導度」物質の両端につけた電極間に電位差を与えたとき、物質中に電流が流れる率をいう。電位差=V, 電極間の物質の長さ=単に、断面積=S、電流=Iとすると、I=(αS/l)Vとなり、α=電気伝導度。一般に電気伝導度の大きい物質を導体、極めて小さい物質を絶縁体という。イオン結晶、電解質溶液、溶融塩などにおいてはイオンの運動によって電流が運ばれる。こうしてイオン伝導では、電流に伴って物質の移動が生じ、電極における化学変化がおきる。 <Frontline記事広告What's パイ・ウオーター? (3)から>
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