細胞内カルシウムとは
細胞内カルシウムがなぜ注目されるのか。それは、細胞内カルシウムの上昇が、ガンの原因となることがあるのだ。人間の体内で、カルシウムは骨の主成分であるだけでなく、細胞の機能で重要な役割を果たしている。細胞に外から刺激が加わったとき、その刺激を細胞核に伝達するのがカルシウムイオンだ。細胞内カルシウムが異常に上昇すると細胞死となり、その上昇が頻繁に起こると遺伝子に異常をきたし、ときにはガン化することがある。
パイ・ウオーターが細胞内カルシウム上昇を抑制
細胞内カルシウムの量は、細胞膜にあるカルシウムチャンネルを介して調節される。その調節の因子にはカリウムやマグネシウムなどの電解質、血清中のトリプシインヒビターなどがある。従来、鉄のような金属と細胞内カルシウムとの関連についてあまり研究されていなかったが、浜松医科大学の金山尚裕博士の研究により、高エネルギーパイ・ウオーターの2価3価鉄塩溶液が細胞内カルシウムの上昇を抑制することが明らかになった。以下、金山尚裕博士の研究に基づいて報告する。
ガン細胞増殖阻止作用
ガン細胞は細胞内の代謝が活発で、細胞内カルシウムレベルが高い。試験管内の子宮ガン細胞及び白血病細胞に、濃度0.3%の高エネルギーパイ・ウオーター溶液を与える実験では、ガン細胞の増殖は著しく抑制された。パイ・ウオーターによって細胞内カルシウムの上昇が抑制され、ガンの細胞の代謝を抑えるからだ。
病原細菌増殖防止作用
O−157を含む他種々の大腸菌、クレブシーラ、緑濃菌を高エネルギーパイ・ウオーター溶液の入った寒天培地で培養した。普通の水なら強烈な速度で増殖する。だが、高エネルギーパイ・ウオーター溶液の入った培地ではなかなか増殖しない。強力な静菌作用(病原細菌増殖防止作用)があるからだ。これは殺菌作用とは異なり、菌の増殖を抑える働きだ。だがこの働きによって高エネルギーパイ・ウオーターが、食中毒や細菌性下痢などの急性細菌性疾患に有効である可能性が高い。
尿管結石防止作用
尿管結石防止作用の主要な成分はリン酸カルシウムとしゅう酸カルシウムだ。試験管内でリン酸と塩化カルシウムを混ぜ合わせると、瞬時にリン酸カルシウムの結晶ができる。ところが、あらかじめ濃度0.3%の高エネルギーパイ・ウオーター溶液を加えておくと、全く結晶ができない。パイ・ウオーターはカルシウムイオンがリン酸やしゅう酸と結合するのを阻止するのだ。 平滑筋収縮を抑制
平滑筋は血管や心臓以外の内臓を構成する不随意筋だ。平滑筋の過剰収縮はさまざまな疾患の原因ともなる。とくに血管平滑筋の過剰収縮は血管内に障害をもたらす。これが動脈硬化、高血圧、腎臓機能低下、糖尿病などを引き起こす。 平滑筋収縮は細胞内に細胞外からカルシウムが流入することにより起こる。実験では、培養子宮平滑筋細胞にエンドトキシン(収縮を引き起こす刺激物質)を与えると、30秒以内に細胞内カルシウムが上昇した。ところが、あらかじめ濃度0.3%の高エネルギーパイ・ウオーター溶液を添加しておくと細胞内カルシウムは全く上昇しない。また子宮平滑筋にプロスタグランデインF2α(収縮を引き起こす刺激物質)を与えて収縮を発生させ、そこへ、高エネルギーパイ・ウオーター溶液を添加していく。濃度0.3%で明らかに収縮が抑制した。 血液凝固を抑制
血液凝固には13余りの凝固因子が関係する。内因性の凝固活性指標APTT(部分トロンボプラスチン時間)と外因性の指標PT(プロトンビン時間)の測定系に、高エネルギーパイ・ウオーター溶液を加えると、いずれも延長する。とくにAPTTで顕著だ。これは血栓症に効果が考えられることを意味する。ただ注目すべきは、外傷による出血に高エネルギーパイ・ウオーター溶液を塗布すると、速やかに止血する。このことからパイ・ウオーターは血液の過剰な凝固および線溶を抑制して、生体本来の機能に調節するようだ。<Frontline What's パイ・ウオーター (7)より> |